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積水不可極 安知滄海東
九州何處遠 萬里若乘空
向國惟看日 歸帆但信風
鰲身映天黑 魚眼射波紅
鄕樹扶桑外 主人孤島中
別離方異域 音信若爲通
<書き下し>
積水 極む可からず
安んぞ 滄海の東を知らんや
九州 何処か遠き
万里 空に乗ずるが若し
国に向かっては惟だ日を看
帰帆は但だ風に信すのみ
鰲身 天に映じて黒く
魚眼 波を射て紅なり
鄕樹 扶桑の外
主人 孤島の中
別離 方に異違域
音信 若爲してか通ぜん
<意訳>
海原の果てはいまだ見えず
東の海の果ては知ることができない
世界で最も遠い地はどこなのか
万里は意味もなく空に飛ぶように遠い
国に向かうのは太陽に向かって進むのと等しく
帰り旅はただ船の帆を風に任せるのみ
大亀の姿は空に黒く映り
魚の眼は波を紅く射る
あなたの木は、太陽が昇る地のさらに外にあり
あなたの主は、遠く離れた海の島の中にいる
この別れは、まさに異世界に行くようなものであり
この声は、どうやったらあなたの元に届くのだろうか
<ライナーノーツ>
十二国記の番外編「魔性の子」の巻頭にある漢詩。
阿倍仲麻呂が帰国しようとした際に友人の王維が詠んだもの。
タイトルは「秘書監の晁衡が日本国へ還るを送る」となる。
前半は「日本は遠いよ」。後半は「航海は厳しいものだよ」てなかんじで、
詩全体の意味は「日本はとても遠いから、もう会えないかもね」みたいな感じ。
この後、安倍が乗った船は転覆し、王維は彼が死んだという報を聞き悲しんだという。
実際には彼はベトナムに漂着、長安に戻り日本の地を踏まないまま没した。
阿倍仲麻呂…遣唐使。唐の科挙に合格した。科挙に合格するのはかなりハードルが高い。
王維…唐の高官。同時代の李白が詩仙、杜甫が詩聖と呼ばれるのに並んで詩仏と称される。
積水:水、九州:世界、處=所、乘空=①空に乗る、②空虚に乗る
看日=日を見る:日に向かって東に進む。
歸帆「帰路の船の帆」
鰲:中国神話の大亀。
扶桑:山海経にて東の海にある木。後世、扶桑国は日本をさすようになる。
主人:安部仲鷹の主人、孝謙天皇のこと。
<その他>
書き下しは「魔性の子」、「意訳」は我流なので悪しからず。
なんとなく気になったから調べたんだけど、さすが主上、ドンピシャです。
少し外れると神主はファンだったから「黒い海に紅く ~ Legendary Fish」もここから来てるのかなぁと思ったり。
衣玖さん目赤いし。
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現在、期末試験&レポート締め切りに終われ夜も眠れない日々をすごしている。